• 世界が一流と認めるドイツの黄金ルールを学ぶ90日間ヨーロピアンフラワーデザインプロ養成講座メール版

「編む」テクニックで個性的に仕上げる

こんにちは。
ドイツトップフローリストアカデミーの
堀江です。

 

今日は先日納品させて頂いた
アレンジをご紹介します。

「編む」テクニックとは?

IMG_1101 (2) - コピー.JPG

 

このアレンジは
「アレカヤシ」という南国風の葉を編んだものを
使用しております。

KIMG0431.JPG

 

こんな感じに編むと
それだけで個性的なアレンジになるのです。

一味違う風が出ていると思いませんか?

フラワーデザインのテクニックは
いろいろありますが
「編む」というテーマで
様々なデザインを創ることが出来ます。

昔、ウエディングの仕事をしていた時
ニューサイランを編んで
花器を作り、夏の花をあしらったことが
あります。

それだけで、涼し気で特別感満載の
アレンジに出来上がり
お二人に感激されました!!

どんな素材で編むかは
あなたのアイディア次第です。

 

ただお花で編むのは難しく
多くの場合、葉物使うようになるでしょう。

 

使う葉によって雰囲気が異なり
面白いですよ。

編む

というテクニックに似たところで言えば

結ぶ

というテクニックもまた
面白いデザインがたくさん出来るのですが

また機会を見て
「結ぶ」テクニックについては
別の時にお話ししたいと思います

 

「編む」テクニックの注意点

 

さて、この「編む」という
テクニックで作成したデザイン

注意点があります。

この注意点を今日は皆さんに
お伝えしたいです。

KIMG0438 (4).JPG

 

使用した花材は

●アレカヤシ
●グラジオラス
●シンビジウム
●アンスリウム
●オンシジウム

どんなケースでも共通して言えることですが
使用する花材の中でどれを主役にしたいのかを
考えます。

 

私は今回一番目立たせたい花材は

「アレカヤシ」

と考えました。

なぜか?

 

このアレカヤシを編むの
結構めんどくさいです。

時間もかかります。

それなのに
アレカヤシが もしアレンジの中で
目立たなければ
費用対効果的に
花屋としては非常に無駄です。

時間をかけて編んだアレカヤシは
目立たないといけない!!

 

そして編んだアレカヤシが目立ち、初めて
個性的アレンジになります。

 

ではここで問題です。

この編んだアレカヤシをどのように
すれば目立たせることが出来るのか?

ある特定の花材を目立たせる
あるいはメインに見せたい場合
方法はいくつかあります。

量、面積を増やす

メインに見せたい花材の量や面積を
増やすと自然に目立って見える

 

フォーカルポイントに入れる

 

アレンジのフォーカルポイント
(通常はアレンジの中央付近、
一番人の目を惹きつけたい箇所)
にある花はそれだけで目立つ

動きをつける

動きのある花材はアレンジの中で
人の視線を集める箇所になる

 

今回この①と③を使いました。

②にを使わなかった理由は
アレカヤシは花ではないので
フォーカルポイントに入れるには向かない事

また、アレカヤシを美しく見せるには
空間が必要なのでフォーカルポイントに挿しては
空間がとれないこと。

こちらの写真をご覧ください。
アレカヤシの周りには
ある程度の空間を確保しております。

 

KIMG0438 (4).JPG

 

空間を取らず アレカヤシの葉のところに
ごちゃごちゃといろいろなお花を配置しては
アレカヤシの網目が美しく見えません。

そしてアレカヤシの緩やかな曲線
しなだれる姿はやはり空間をとらないと
映えないです。

 

このアレンジの中のアレカヤシの
緩やかな曲線
美しく見えますよね!!

それが動きとなって見え、
アレカヤシが益々映えて見えるのです。

空間(何もない空間)があって
始めて生きて見えるのです。

またある程度の量を入れ、
長くダイナミックに使用していることから
より生きて見えると思います。

はお花の組み合わせ法について
お話をしたいと思います。

 

植物社会学的観点で考える

 

今回私が選択した花材は
以下の通りです。

 

●アレカヤシ

●グラジオラス

●シンビジウム

●アンスリウム

●オンシジウム

 

そして今回一番見せたい花材は
苦労して編んだ
アレカヤシ

アレカヤシをウィキペディアで調べると

分布の箇所にこう記載されています

 

原産国であるマダガスカル、
アフリカ等熱帯雨林気候地域、
及びインド太平洋地域。
国内においては小笠原諸島への
生態系侵入が確認されている。

 

この文章から解るように
アレカヤシは南国系の植物です。

 

 

統一感のあるアレンジに仕上げる方法の
一つに

植物社会学の観点からお花を
選ぶ

 

という方法があります。

 

植物社会学とは
植物生態学の一分野。
植物集団の種構成・構造・遷移、
環境との関係などについて研究する。

私たちは学者ではないので
特に深く研究をする必要はありません。

もっと簡単に考えて
この植物たちはどのような種類の
植物たちと共存しているのだろう

とちょっと考えるだけです。

 

 

大きくわけて2つのカテゴリーで
考えられると思います。

 

 

①季節

②生息地

 

 

①季節
植物は季節が大きく関係しております。
たとえば、ひまわりは夏のお花
チューリップは春のお花

今はひまわりも冬でも売っているし
季節感が段々失われつつありますが
ひまわりは私たちの認識では
やはり夏のお花です。

皆さんは以下の2つのアレンジ
どちらが統一感があり
テーマ性があるアレンジだと
思いますか?

 

●チューリップとひまわりの組み合わせたアレンジ

 

●チューリップとスイセン ヒヤシンスの組み合わせ

 

 

後者のアレンジの方が統一感が
あるように出来上がります。

 

 

②生息地

みなさんは以下の2つのアレンジ
どちらが統一感があるように
感じますか?

 

●アンスリウムとエーデルワイス

 

●アンスリウムと蘭

 

 

後者の方が統一感 テーマ性があります。

 

最初のアンスリウムとエーデルワイス

アンスリウムは南国系
エーデルワイスは高山植物です

 

 

一方 蘭は南国系の植物なので
アンスリウムと同じ生息地で
しっくり馴染みます。

テーマが見えるのも大事な要因です。
テーマの何もないアレンジは
ゴールがないので
作り手の意匠が伝わりません。

一方テーマのあるアレンジの方が
作り手の意匠、思いが伝わりやすく
感動を誘うアレンジになります。

 

話をもとに戻すと
私は今回のアレンジでは
テーマを南国系にしました

IMG_1101 (2) - コピー.JPG

 

アレカヤシを 植物社会学的に
より自然にあるべき姿に見せたかったので。

オンシジウム
アンスリウム
シンビジウム

 

生息地を合わせ作成しました。

 

ここに「ススキ」とか入っていると
おかしくなるの解りますよね??

ちなみにこのアレンジ
ある動画編集の会社の社長さんへの
誕生日プレゼントでした。

動画編集の「編」から「編む」テクニックを
思いついたのが始まりです。

 

デザインする
アレンジする際

どんなことを考えているのか
少し皆さんにお伝えしました。

 

参考になれば幸いです。

 

葉の編み方ですが
YouTubeにアップされていたものが
解りやすいのでシャアしますね

ご興味のある方は是非

https://www.youtube.com/watch?v=_eD0dvOD-T4