「できない私」を卒業するための5つの心構え
① 完璧を目指さず、
まずは“完走”を目指す。
上手くいかないとき、
誰でもこんな気持ちになることがあります。
「このやり方、自分には向いてないのかも」
「私には才能がないのかも」
「努力しても報われないんじゃないか…」
でも、そう思って諦めてしまう人の多くは、
まだ本気でやり切っていません。
結果が出る前に、心が折れてしまっているのです。
私が皆さんに伝えたいのは、
“完璧を目指す”のではなく、
“完走を目指す”
ということ。
なぜなら、
「完璧主義」は行動を止め、
「完走主義」は行動を継続させる」
からです。
完璧を目指す人は、
「ちゃんとできないならやらないほうがいい」
と無意識に自分を縛り、
途中で止まってしまいます。
一方で、「まずは最後までやり切る」
と決めている人は、
多少の失敗やブレを許容しながらも、
ゴールまで自分を運びます。
継続して初めて見える景色があるのに、
途中で止まってしまえば何も変わりません。
「成功」という言葉は、
ついキラキラした実績を
思い浮かべがちです。
フォロワー1万人?
売上1000万?
でも、私の考える“成功”は違います。
それは、「Before→After」
昨日の自分より、今日の自分が
ほんの少しでも前に進んでいれば、
それは立派な成功です。
そして、成長とは右肩上がりの
グラフではなく、階段のようなもの。
成長の“踊り場”のような
停滞期もあります。
成果が出ていないように見えても、
その期間にも
“内側”では確実に何かが育っています。
この時期にやめてしまうのは、本当にもったいない。
だからこそ、私は声を大にして言います。
「継続は力なり。
諦めない心が、あなたを“本当の成功”へと導く」
途中で投げ出すのではなく、
まずは最後まで完走してみてください。
完走する人だけが、
自分の未来を変えることができるのです。
② 学びっぱなし」では、上達しない
多くの人が結果が出ない原因は、
学んだことを覚えていないまま
次のレッスンに来ること。
でも、それはあなたが悪いわけではありません。
人間は「忘れる生き物」だからです。
実際、ドイツの心理学者エビングハウスが
提唱した「忘却曲線」によれば、
人は1日後には約7割のことを忘れる
と言われています。
だからこそ大事なのは、「繰り返し思い出す」こと。
復習しなければ、
せっかくの学びは一瞬で消えてしまうのです。

前回の学びが「点」なら、
それを繋げて「線」にしていくことが上達のカギ。
でも、点を描いても、次の瞬間には消えてしまっていたら…
ずっと“白紙”のまま、何も積み上がりません。
ゼロと1を往復していても、
10や100にはなれません。
上達とは、「1→2→3」と
小さな積み重ねの先にあるもの。
だから、レッスンの間にも
自分のノートを見返す、
次のレッスン前にイメージを思い出す、
そんな「前向きな準備」が、
成長を加速させます。
③ インプットだけでは、
絶対に上達しない。
私たちのスクールの大きな特徴は、
ドイツトップフローリストの理論が
“動画で学べる”こと。
つまり、動画=インプットの場なんです。
では、レッスンでの制作時間は何か?
それは、“アウトプット”の時間です。
動画で得た知識を、
自分なりに解釈して考え、
実際に「手を動かす中で試すこと」が、
最大の学びになります。
でも、うまくいかない人の多くは、
制作の時間もインプットの時間だと
勘違いしてしまいます。
先生の指示を待ち、ただ言われた通りに挿す。
この“受け身の姿勢”では、
成長はとてもゆるやかです。
なぜなら、本当の学びは
「知ったあとに、考えながらやってみる」
ことで定着するから。
アウトプットをせずに学習を終えるのは、
料理のレシピを読んだだけで
料理を作らないようなもの。
そして、もう一歩深く言えば、
“アウトプットできない
”最大の理由は、
頭に理論が入っていないからです。
私はドイツで理論を学んだとき、
ドイツ語を文法的に理解して
組み立てることは難しかった。
だから、筆記テストで答えを書けるように、
理論を文章ごと丸暗記していました。
その結果、
頭の中に理論がストックされていったのです。
頭に理論がなければ、
現場で使うことはできません。
理論を記憶しているからこそ
アウトプットができるのです。
自分なりにテキストを書き直す、
という学び方。
アウトプットには、
手を動かしてアレンジを作ること以外にも、
「自分なりに言葉でまとめ直す」という方法があります。
これは、受け身の理解から一歩進んで、
“自分の脳で噛み砕く”ための最高のトレーニング。
最も上達が早かった生徒さんも、
この方法を実践していました。
・聞いた内容をノートにまとめる
・自分の言葉で言い換える
・説明できるようにしてみる
こういった積み重ねが、
知識を「あなたの技術」
に変えていきます。
「インプットだけでは意味がない。
アウトプットまでして、
初めて学びになる」
動画を見たら終わりではなく、
・作ってみる
・考えてやってみる
・言葉にしてまとめ直す
・覚えるまで繰り返す
この姿勢が、あなたを“本物の技術者”へと導きます。
④「できない」と気づけたあなたは、
もう前に進んでいる。
「頑張ってるのに
なんで私はできないんだろう…」
そう感じたことはありませんか?
一生懸命学んでいるのに成果が出ないと、
「私にはセンスがないのかも」
「向いてないのかも」
そんなふうに、心が折れそうに
なることもありますよね。
でも実はそれ、
成長の“まっただなか”にいる証拠
なんです。
スキル習得には“4つの意識の段階”があります。
- 無意識的無能(できないことに気づいていない)
→ まだ知らない・わからない状態。 - 意識的無能(できないことを自覚している)
→ やろうとしてもできない。できない自分に苦しむ時期。 - 意識的有能(意識すればできる)
→ 考えながらならできる。まだ不安定だけど成長を感じられる段階。 - 無意識的有能(無意識でも自然にできる)
→ 考えなくても体に染み込んでいて、感覚的に美しいものが作れる状態。

あなたが今、「できない」と悩んでいるなら、
それはまさに“意識的無能”のフェーズ。
多くの人はこのタイミングで、
「私は才能がない」と勘違いしてやめてしまいます。
でも、私は声を大にして言いたい。
「意識的無能」こそ、本当のスタートライン。
ここを乗り越えた人だけが、
“意識すればできる” → “無意識でもできる”という境地へ進めます。
そしてその次に待っているのが、
「意識的有能」の壁。
ここはただ何となくやっていれば越えられるフェーズではありません。
ここで求められるのは、“超絶強力な意識”です。
・どれだけ強く意識できるか?
・どれだけ意識的に理論を使えるか?
・どれだけ強い意識をもって、
点をパズルのように正しく組み合わせられるか?
でも、こんなケースをよく見かけます。
ある一定時間、学び続けているのに、
「花材が縦に1列に並んでいる」ことに、
本人はまったく気づいていない。
「花材が段々高くなっている」ことに、
講師に指摘されて初めて気づく。
これがまさに、意識が弱い状態なのです。
本人は「考えてるつもり」でも、実は感覚だけで挿していることが多く、
点と点がつながらず、成長が止まってしまいます。
この壁を越えられるのは、
“本当に強い意識で考えた人”だけ。
でも、大丈夫。
今、ここで「気づいた」あなたは、
今からでも遅くありません。
強い意識をもって、
点を見直し、つなぎ直すことで、
ここから本当の意味での“意識的有能”が始まります。
そしてその先には、
無意識でも、美しく自由なアレンジが
生まれるあなた自身が待っています。
ポイント
どんなに不安でも、
どんなに下手だと感じても、
あなたが「できない」と自覚して学び続ける限り、
未来のあなたは
“無意識でもできる自分”に変わっていきます。
⑤「考える人」だけが、
理論を“使いこなせる”ようになる。
「動画は見ているのに、
なんだか上達しない…」
「知識はあるけれど、アレンジに
活かせていない気がする…」
そんな風に感じているなら、
もしかすると「考える力」が止まっている
のかもしれません。
これまで「点を線につなげることが大切」
とお伝えしてきました。
では、その“点”である理論をどう活かすのか?
それは、
「理論同士をどう組み合わせるかを考える力」
にかかっています。
そもそも「点」とは何か?
私が言う「点」とは、
作品を構成するための
小さな理論や考え方の単位
のことです。
例えば「色彩」というテーマだけでも――
・色の組み合わせにはどんなパターンがあるか?
・その色の配分はどうするか?
・色の濃淡はどう調整するか?
このように、ひとつのテーマの中に
複数の“点”が含まれています。
それは他にも、
・空間の取り方(詰める?空ける?)
・花の形の捉え方(丸い?とがってる?)
・花の大きさの違いの使い分け
といった大きなカテゴリーの中にも、
たくさんの判断基準があり、
そのひとつひとつの判断材料が
すべて“点”なのです。
アレンジを作るとき、
「色彩の中から3つの点」
「空間の取り方から2つの点」
「花の形のテーマから1つの点」――
このように、
いくつの点を引き出して、どう組み合わせるか
によって、
完成度も独創性も大きく変わってきます。
だから、
“考える力”がある人ほど、
たくさんの点を線につなぎ、
長くて強い作品を生み出せる
のです。
そして、この「組み合わせ」の中にこそ、
独創性が生まれる。
間違った組み合わせはもちろんNGですが、
正解は一つではありません。
理論をどう組み合わせるか――
その“選び方”の中に、
あなたらしさが自然とにじみ出てきます。
それこそが独創性。
だから私は言いたい。
「初期の段階で“個性”を語る必要はありません」
まずは正しく点を打ち、
考えて、組み合わせて、
その余白に、あなたの個性は
自然と浮かび上がってきます。
ドイツトップフローリストで学ぶ理由は、
“正しく考える力”を養うため。
このスクールは、ただ花を並べる技術を
教える場ではありません。
「なぜその配置なのか?」
「どんな理論の組み合わせが効果的なのか?」
そうやって、自分で “選び”“考える”力を養う場所なのです。
最後に。
最初は小さな点でも、
考えることをやめずにつなげていけば、
いつかあなたにしか描けない“線”が見えてきます。
その線こそが、
あなたの花であり、あなたの世界であり、
あなたという人の“ブランド”になるのです。